お客様の声 古民家リノベーション Kさま
お客様プロフィール :
古民家フルリノベーション(戸建て)・当時30代夫婦と子ども2人(現在3人)
お話をうかがったのは夫Tさんと妻Mさん
▶プロならではの提案に目から鱗
―――いたやに設計を依頼することになった経緯を教えていただけますか。
(夫Tさん)もともとは祖父母の家で、築80年になる平屋の日本家屋でした。隙間風で冬は寒いし、雨漏りしたり、虫とかねずみが出ることもあり、私たちは増築した部分で生活していたんです。せっかく南側の一番良い場所にある広い座敷は全く使うことなく、もったいない状態で、なんとかしたいと思っていました。
妻の友人がいたやさんのところで新築したと知り、まずはいたやさんに話を聞くことになったのですが、父がそのお人柄を気に入って即決でした。他社とは全く比べることもせず、父の直感に従った感じです。
―――お父様の直感は当たりましたか?
はい。父も私たちもリフォームのビフォーアフターを紹介するテレビ番組が好きで、自分たちなりに間取りプランなど考えていたのですが、自分たちの案をはるかに上回る良い案をいたやさんから提案していただき、流石プロだなあと思い、お願いすることにしました。
―――流石と思った点を具体的に教えていただけますか?
まず、キッチンをど真ん中に持ってくるというのが目から鱗でした。そして、あえて減築することで、個室をいくつも作るのではなく、オープンなリビングに家族が集まり思い思いに過ごすという暮らしを実現できました。
とはいえ、子どもたちに将来個室が必要になった時のことも想定して、屋根裏部分の床を少し下げ、居住スペースにしていただきました。自分で間取りを考えていた時は、屋根裏は倉庫にするしかないと思っていたので、これにも感心しました。
▶父の思い入れと妻のこだわりを取り入れたプランニング
―――建て替えではなく、フルリノベーションにしたのはなぜですか?
(夫Tさん)更地にして新しく建てる方が簡単かもしれませんが、父にとっては思い出深い家だし、外観の雰囲気や大きな差鴨居など、昔の日本家屋ならではの良さは残して欲しいというリクエストがありました。
ただし、古い木造家屋で地震には弱いことが分かっていたため、徹底した調査にもとづく耐震工事を施していただきました。いたやさんが木造の耐震に詳しい専門家に依頼してくださり、父も安心してくれる高レベルの耐震評価点を満たしています。
―――お父様からのリクエストと奥様の希望の両方があったそうですね。調整は大変ではなかったですか?
(妻Mさん)両方の言い分をいたやさんが上手に吸い上げて形にしてくださったので、とてもスムーズにプランが決まりました。私には好きなインテリアのテイストがはっきりあるのですが、ドアの色や、スイッチの形状にいたるまで、どんな小さなことも細やかに対応してくださって、本当に感謝しています。
▶築80年の日本家屋の名残と若いご夫婦のセンスがミックスされた個性的な空間
―――特にここが気に入っているという点を教えていただけますでしょうか。
(妻Mさん)大きな梁や古い建具や箪笥を生かしたデザインにしてくださったところです。私自身が好きなテイストも随所に取り入れていただき、大満足しています。
―――8年前の竣工時からインテリアの趣味に変化はありますか?
(妻Mさん)その時々で小物や飾りつけなどの好みが変わることはありますが、何と言っても、この家が大好きなんです!だから、何かを取り入れるにしても、この家に合うもの、馴染むものを自然と選んでいますね。素敵なお家を作っていただいたと感謝しながら住まわせてもらっていますし、もう8年も経ったなんて信じられないほど。出来上がったばかりの頃のわくわくする感じが今でも続いています。
―――これから家を建てたい方にアドバイスをお願いします。
(夫Tさん)ここだけはこだわりたい、妥協したくない、という部分をきちんと決めることですね。うちの場合は妻がデザインにこだわりがありましたが、いたやさんが丁寧に聞き取ってくださったので、妥協せずに済みました。家を建てた友人のなかには最初に何回か打ち合わせした後は出来上がるまではお任せ状態だったという人もいます。その点、いたやさんは毎週のように打ち合わせをしてくださったし、出来上がるまでに現場も何度も見せていただき、家づくりの過程自体も楽しめました。
自分たちには知識がないことはプロの意見に従うのも大事だと思います。いたやさんには木材のことなど色々と教えていただきました。そうやって選んだ天然木のフローリングは友人にも好評です。リビングの木のカウンターも規格外の大きさだと思いますが、いたやさんだからこそ出来たものではないでしょうか。
―――設計者よりひとこと
築80年超のお家にこれからも長く住み続けたいというご家族の想いを受け、大規模な改修を行いました。木構造専門家と耐震改修設計を協業し、上部構造評点(建物の耐震性を示す指標)を1.2と高評価にしました。屋根は土葺きの瓦で重かったので、外観のイメージは変えないまま地震に強くて重量は軽いものに葺き替えました。耐力壁を多く設置し、基礎に鉄筋を配筋して足元を固めました。断熱性能と気密性も上げ、古い日本家屋の趣を残しながらも現代の暮らしにマッチした快適性を追求しました。
設計前のヒアリングでは、まずおうちに伺います。お客様が今お住まいの場所にこそ、設計のためのヒントがたくさんあるからです。収納や家事の動線などお困り事の改善はもちろんのこと、インテリアの好みも重要なポイントです。こちらのお宅では、DIYや骨董などを取り入れた妻Mさんのインテリアが印象的でしたので、その世界観を存分に表現できる家づくりを心がけました。
ご家族の変化に合わせたメンテナンスやプチリフォームもたびたびご依頼いただいています。直近では子供部屋を1室から2室に分けました。建築時から想定していたことでしたので、元々スイッチやエアコンはそのように設計していました。長く住み続けるということは、耐久性だけでなく、暮らし方の変化にも対応できるようにしておくということです。そういう視点での設計も大切にしています。
いたや木材有限会社建築設計事務所 大塚典子
0コメント